職場の人間関係についてのお悩みを、マイナス感情を消す専門家が、脳のメカニズムと自身の経験をもとに新しい視点でお悩み相談・アドバイス。今回のお悩み相談は、会社の嫌いな先輩がうざくてどうしたらいいのかと悩まれている男性からのご相談です。
Q.会社の先輩が嫌いでほんとにうざいです。
【20代前半/男性/タケル(仮名)】
職場は自動車関連の製造業で、短大を卒業してから今の会社に入って4年目になりますが、今、同じ職場で働いている5つ年上の先輩との人間関係で悩んでいます。その先輩というのが、ジャイアンみたいな人で「俺の言うことは絶対」みたいなところがあって、ほんとにうざいんです。
その先輩は自分がやりたくない仕事は、すぐ僕に押し付けてきて「今、手一杯なので、できそうにないです。」と断っても、「先輩の言うことが聞けないのか?」と言って無理やり押し付けて、自分は休憩室でのんびりコーヒーを飲んでいたりします。
そのくせに、こっちが少しでもミスしたり忘れてしまったりすると、烈火のごとく怒ってくるし、自分のことを王様かなにかと勘違いしているようでほんとにうざいです。
ここまでは、仕事上、仕方ないものなのかもしれません。だけど、最近、プライベートにまで関わってくるようになって、金曜日になると「明日、○○に行くぞ!」とほぼ強制のような感じで遊びに誘われたりします。これを断ると、あからさまに不機嫌になるから、もうどうしたらいいのかわかりません。
この頃、先輩の舎弟みたいになっている自分が、嫌で嫌で精神的にとても辛く感じるようになりました。こんな、顔を見たくないくらい嫌いでうざい先輩とうまくやっていくにはどうしたらいいのでしょうか?何か良い方法があったら教えてください。
※このお悩み相談の内容は、個人が特定されないようご本人の許可のもと、他の事例をもとに改変を加えた内容になっており、実際の相談内容とは異なります。(分類:職場の人間関係の悩み)
A.もう一歩だけ踏み出すことで、道は開けそうですよ。
回答者
自分の意志や行動を制限されるのは辛い
うざいと感じている先輩となんとかうまくやっていこうとするも、思うようにはいかないイライラが積み重なって、とても疲れてしまわれていることが文面から伝わってきました。
先輩から仕事を押し付けられてしまったり、半強制的なお誘いをされたりといった、自分の行動を制限されてしまうときというのは、不快な気持ちが込み上げてきてしまうものですよね。
一方で、タケルさんは、先輩の舎弟みたいになっている自分が嫌でお辛いとのことですが、半強制的な遊びのお誘いを断る試みをされていたり、仕事を押し付けられてしまったときも理由とともにお断りする試みをされていたり、しっかりご自分の意見を主張されているじゃないですか!もう一歩だけ踏み出してみることで、道は開けていきそうだと私は感じています。
嫌いな人とプライベートまで共にするのは良くない
先輩とは仕事だけの関係だと、考えの上ではしっかり切り分けられているようですね。職場の人間関係において、嫌いな人とはプライベートまで仲良くすることは良くありませんからね。そうは言っても、相手がずかずかと踏み込んでくる今回の場合はまいったものです。
さて、うざいと感じている会社の先輩とうまくやっていくには、もしくは、辛さを取り除くにはどうしたらいいのか。プライベートと職場、それぞれ分けてお答えしていきます。
まず、プライベートのお誘いは何が何でもお断りするようにしましょう。とは言っても、簡単にそれができたら、今回ご相談いただくことはありませんでしたよね。
そこで、一つご提案するのは、事前に土日にやることを2~3週間先まで無理やりにでも決めておくというのはいかがでしょうか。予定が空いているところに先輩からの半強制的なお誘いをうけてしまうと、断ろうとしても言葉に詰まってしまったり、断ろうとしていることを見透かされたりして、押されて断りづらくなってしまうことがあると思います。
ですから、事前に決めておけば、「明日、○○に行くぞ!」と先輩に言われても堂々と「明日は、隣の県まで友達に会いに行くのでごめんなさい。せっかくお誘いいただいたのに。」としっかりお断りすることができるのではないでしょうか。
それでも先輩が不機嫌になるようなときは、もうタケルさんが悩むことはありませんよ。用事があって堂々と断っているのに、それに文句を言うような人はどうかしてるとしか思えません。
先輩だから「偉い」と定められたものは存在しない
次に、職場ではどうしたらいいのか。忙しいからと断っても「先輩の言うことが聞けないのか?」と言って無理に押し付けてこられるのは、うざいと思うのも無理はありませんね。
一つ思うことは、先輩もタケルさんも「年上=偉い」という概念が根付いているように感じられます。「年上=偉い」が本当に正しいのか徹底的に疑ってみることをおすすめします。
実は、日本人の脳には、ほとんど洗脳のような形で「年上=偉い」と、しみついてしまっているんですよね。これは、千数百年前に儒教が日本に伝来したときに「目上の人を尊敬すべきという思想」から、民を支配するために用いられたもので、今でも儒教の流れを汲んでいる東アジアには強く根付いている考え方なんです。
実際には、「年齢が高いほうを偉いとする」と定められた法律・規則は存在しませんから、年齢とか入社年数で偉いと思ってしまうのは筋違いなお話です。
ですから、先輩・後輩として接するんじゃなくて「同僚」として接するように心がけてみると、仕事を押し付けられそうになって、断るときに勇気を持てるのではないでしょうか。対等な同僚なわけですから。
最後になりますが、うざいと感じながらも先輩と衝突しないようにうまく付き合われているタケルさんは心からお優しい方なんだと思います。そんな心優しい人には、いざとなったら周りの人がきっと助けてくれます。だから、恐れずにもう一歩だけ自分の力で踏み出していただけることを願っています。