職場で仲間外れにされていて、ものすごく辛い...
数々の辛い経験を乗り越えてきた大人であっても、仲間外れにされるのはとても辛いですよね。この辛い気持ちをぬぐうにはどうしたらいいのか、一緒に紐解いていきましょう。
この記事の内容
・職場での仲間外れは痛みと同じ
・辛さを和らげる脳の使い方
・仲間外れにされたときの対処法
職場での仲間外れは強烈に辛い
大人になってまで、仲間外れにされるなんて夢にも思ってなかったことでしょう。
だけど、実際のところ、職場での仲間外れは想像以上に多くて、労働局に寄せられる職場での嫌がらせやいじめに関する相談は年間に数万件にものぼっています。
そして、なんと言っても仲間外れは強烈に辛い。
仲間外れの例
・同僚の輪に近づくと急に静かになる
・あいさつしても無視される
・業務上必要な情報を伝えてもらえない
嫌われるようなことをしたおぼえがないのに、職場の同僚たちから仲間外れにされるのは、心臓が締め付けられるくらい、お辛い思いをされているはずです。
それに、生活費を稼がないといけないから、「辛いから会社やめよ~」と簡単に投げ出せるわけでもなく、イヤな思いをしながらも明日も会社に行かないといけないとなると、どうしたらいいのかわからなくなってしまいますよね。

職場での仲間外れはなぜ辛い?
数々の辛い経験を乗り越えてきた大人であっても、仲間外れにされるのは辛いのはどうしてなのでしょうか。
それは、仲間外れにされたとき、脳内では身体的な痛みを感じたときに活動する脳の領域と同じところが活動するからです。
要するに、感情レベルのお話ではなくて、仲間外れは「痛み」と同じということに他なりません。

社会的排斥に関するMRI研究
この研究では、検証のため参加者にコンピュータ上で仮想的なボールを受け渡しするゲームを行ってもらい、最終的にボールを渡されなくなる設定で、このゲームを行なっている時の脳活動をスキャンしたところ、身体的な痛みを感じている時に活動する領域と同じ、島皮質という脳の領域に強い活動が認められた。
むかしむかし、人間は、狩猟や採集をしながら集団で助け合って暮らしていました。その集団生活から外れてしまうのは死を意味することになるから、仲間外れにされると脳が痛みを感じるように発達したのでしょう。
だから、仲間外れにされて辛い気持ちになってしまうことは、脳が進化しない限りどうしても避けられません。
職場で仲間外れにされたときの脳の使い方
職場で仲間外れにされて辛くて、今すぐ対処法を知りたい!脳の使い方みたいな小難しい話はもううんざりでしょう。
だけど、とても大切なことだからもう少しお付き合いください。
実は、先ほどお話した研究結果には続きがあります。
社会的排斥に関する研究(続き)
ボールの受け渡しゲームで仲間外れにされたとき、スキャンした脳活動では、島皮質の他に右腹側前頭前野の活動が認められた。右腹側前頭前野は前帯状回の活動の変化を仲介しており、このことから右腹側前頭前野は仲間外れによるストレスの調整を行なっていることが考えられる。

何を言っているかというと、仲間外れにされて、痛みを感じてストレスにさらされても、すぐさまに前頭連合野(右腹側前頭前野を含む領域)がストレスを軽減するように動き出したと言っています。
お辛いでしょうけど、思い出してみて下さい。

あなたの脳内では、前頭連合野が頑張って、辛さを少しでも軽減しようと働いてくれています。
このことから言えるのは、前頭連合野を意識的にもっと働かせてあげれば、胸が張り裂けるような辛い思いを鎮めることができるということです。
これを踏まえて、職場で仲間外れにされたときの核心的な対処法をお伝えしていきます。
職場で同僚から仲間外れにされたときの対処法
ここまで、小難しい脳の話をしてしまいましたが、悩みは脳で起こっていますから脳のメカニズムで紐解くことが、辛い気持ちをほぐす一番の近道だからご容赦ください。
3つの対処法
・辛い気持ちを吐き出す
・アブストラクション・シンキング
・最終手段!職場を変える
対処法①:辛い気持ちを吐き出す
「ありきたりのことを言いやがって」と思うかもしれませんが、辛い気持ちを誰かに聞いてもらうことには想像以上の効果があります。
それは、相手に伝えるために思考することで、前頭連合野を活性化させることができるからです。
たとえば、進路に悩んだときに友達に相談して、解決策を教えてもらったわけでもないのに、なんだか気持ちが楽になったという経験があるのではないでしょうか。
職場で仲間外れにされた、ものすごく辛い今の気持ちを、電話でもメールでも対面でも、辛い気持ちを吐き出すことで、気持ちを楽にすることができますよ。
-
-
悩みを話すと楽になるのはなぜ?相談の効果を脳のメカニズムで紐解く
悩みは話すと楽になると言うけど信じられない... 昔の私も、悩みは話すと楽になるなんて理解できませんでした。だけど、脳のメカニズムで紐解いてみると「悩みは話すと楽になる」は ...
対処法②:アブストラクション・シンキング
仲間外れにされて辛いとき、効果的なのが「アブストラクション・シンキング」。
英語で書くと「Abstraction Thinking」で、抽象化思考を意味します。
抽象化思考がなぜ効果的なのかというと、これも前頭連合野を活性化させることができるからです。
アブストラクション・シンキングのやり方は、仲間外れの主犯→○○課の課員→◇◇会社の社員→日本で働く人...
このように、できるところまで、ひとつづつ高い概念を見つけてみて下さい。
仲間外れにしてくる同僚やあなた自信の立場を抽象化していくと、高い所から見下ろしたようなイメージになって、前頭連合野が元気になると同時に辛い気持ちを紐解くカギだって見えてきます。
たとえば...
- 何十億人といる人類のなかで、たった4~5人に嫌われたところで大したことはないね。
- 仕事はお客様に良い物を届けて、その見返りに対価をもらうことが目的だから、職場の仲間から嫌われようがどっちだっていいかも。
- 大人になってまで仲間外れをするような悪党どもとは関わらないようにしよう。
アブストラクション・シンキングであなたなりの答えを探してみて下さい。
対処法③:最終手段!職場を変える
いろいろ試してみたけど、どうしても辛いときは、お力になれず申し訳ありませんが職場を変えるしかありません。
職場を変える
・異動を希望する
・転職をする
・独立する
私たちは、「仕事を自由に選んでいい(公共の福祉に反しない限り)」と憲法で保障されていますから、辛い気持ちに耐えられなくなる前に思い切って職場を変えることも一つの手ですよ。
まとめ
職場での仲間外れはなぜ辛い?
仲間外れにされたとき、脳内では身体的な痛みを感じたときに活動する脳の領域と同じところが活動するからです。要するに、感情レベルのお話ではなくて、仲間外れは「痛み」と同じということに他なりません。
辛さを消す脳の使い方
サイバーボールゲームの実験からも、前頭連合野を意識的にもっと働かせてあげれば、胸が張り裂けるような辛い思いを鎮めることができます。
仲間外れにされたときの対処法
・辛い気持ちを吐き出す
・アブストラクション・シンキング
・最終手段!職場を変える
今はまだどうしようもなくお辛いでしょうが、この辛い経験を乗り越えて、また元気に働けることを願っています。