誰か助けて!と言いたくなるくらい精神的に辛くなってしまうことがありますよね。そんなとき、どうやったら心を落ち着かせることができるのでしょうか。今回は、脳と体の関係から編み出した、心を落ち着かせるための最短ルートをお届けします。
この記事の内容
- 精神的に辛い時は体に変化が現れる
- 心を落ち着かせる方法3選
精神的に辛いと感じてしまう時とは?
精神的に辛いとき、前向きに考えようとしてもすぐに、またイヤなことを考えてしまって、もうどうしたらいいかわからなくなってしまうことがあります。私たちは、どんな時に精神的に辛いと感じてしまうのでしょうか。
精神的に辛いとき
- 職場の人間関係がうまくいかないとき
- 恋人との関係がうまくいかいないとき
- 家族との関係がうまくいかないとき
- 友人との関係がうまくいかないとき
- 自分の将来に不安を感じているとき
- お金に関する悩みを抱えているとき
- 限界を超えるほどの仕事があるとき
人生とは大変なことの連続で、精神的に辛いと感じてしまう時がたくさんありますよね。そんな状況からは誰だっていち早く抜け出したいはずですから、「考え方」のお話のような曖昧な方法はやめて、「脳と体の関係」に注目した論理的な方法でお届けします。
精神的に辛い時に気づくべきこと
精神的に辛い時は、今すぐ心を落ち着かせたい!ですがその前に、精神的に辛いと感じている時に気づくべきことがあります。
- 心拍数が上がっていませんか?
- 体がモヤモヤしていませんか?
- 肩に力が入っていませんか?
精神的に辛い時、脳内で感情が生じているだけでなく、体のどこかに感情に応じた変化があることを意外と忘れてしまっているのではないでしょうか。
体のどこかに変化が起きる理由は、扁桃体という感情を生み出している脳部位が、感情の発生と同時に身体反応を起こす信号を出しているからです。そしてこれは、進化の過程で身につけてきたもので、感情に動機づけられる戦いや争い、逃走みたいに激しく体を動かすための準備だと考えられています。
たとえば...
- 全財産を失いそうになって、「恐怖」という感情で心拍数が急上昇する。
- パワハラ上司の理不尽な説教に、「怒り」という感情で眉間にしわがよる。
- 壇上で数百人を前にすると、緊張して手や足、声に震えが出る。
- 黒板をひっかく音をきくと、「不快」という感情で鳥肌がたつ。
- 彼女にふられたことによって、「哀しい」という感情で食欲がなくなる。
- 就職活動がうまくいかなくて、「悔しい」という感情で歯を強く噛みしめる。
このように、精神的に辛いときも含めて脳内で感情が生じると、必ずと言っていいほど体に変化が現れます。そして、この仕組みを逆手にとれば、精神的に辛い時に心を落ち着かせることができます。
精神的に辛い時に心を落ち着かせる方法
精神的に辛い時、「心拍数が上がったり」「体がモヤモヤしたり」「肩に力が入ったり」、体に変化が現れることをお伝えしました。感情と体は相互作用しますから、呼吸をつかって心拍数をさげたり、脱力法をつかって、リラックス状態をつくりあげることが、心を落ち着かせることへの最短ルートです。
精神的に辛い時というのは、前向きに考えようとしても、すぐに辛いことを考えてしまいます。なぜなら、脳が前向きに考えられる状態じゃないから。だから、まずは体をリラックスさせて、脳を元の状態に戻してやることが、今、一番大切なことではないでしょうか。
心を落ち着かせる方法①:カームダウン呼吸法
精神的に辛い時に心を落ち着かせる方法の一つ目は、呼吸を意識する方法です。
脳は臓器と密接に関わっていて、感情の影響が現れやすいと言われています。心臓や腸をはじめとする臓器は意識して動かすことはできませんが、臓器の中で唯一、肺だけは呼吸を使えば意識してはたらきかけることができますから高い効果がえられます。
方法
- 深呼吸をするイメージで鼻から空気を吸い込みながら、自然にお腹をふくらませていく。できるだけゆっくり吸って下さい。
- 力まずに吸えるだけの空気を吸ったら、3秒間、息を止める。
- 今度は口からゆっくり息を吐き、自然にお腹をへこませていきながら力を抜いていく。吐くときもできるだけゆっくり吐いて下さい。
- 吐きおわったら、3秒間、息を止める。
- ①~④を21回繰り返す。
所要時間:5分程度
ポイント
- この5分間だけは意識を呼吸に向けること。
- 息を吐くときに力を抜いていくこと。
精神的に辛い時、ゆっくりとした呼吸を意識して体をリラックスさせれば、自然と心が落ち着いて、考えを整理しやすくなりますよ。
心を落ち着かせる方法②:カームダウン脱力法
精神的に辛い時に心を落ち着かせる方法の二つ目は、体の力を抜く方法です。
力を抜いて筋肉の緊張状態をほぐしてやればいいわけですが、力を抜くというのは意外と難しいものです。そこで、あえて力を入れてそこから抜いていく方法をご紹介します。
方法
- 両足に全力の8割程度の力を入れる
- 力を入れるのをやめる
- 力が抜けていくことに意識を向けて感じとる
- ①~③を腹、胸、腕、肩、首、顔の順に行っていく
- 足、腹、胸、腕、肩、首、顔をすべて同時にやってみる
所要時間:3分程度
ポイント
- 力が抜けて筋肉が緩んでいく感覚にしっかり意識を向けること。
- 慣れてきたら⑤のすべて同時に行うだけでもよい。
- ケガや病気で力を入れると体に異常をきたす場合は行わないこと。
精神的に辛い時、力が抜けて筋肉が緩んでいく感覚をつかんで体がリラックスできれば、自然と心が落ち着いて、客観的に考えることもできるようになりますよ。
心を落ち着かせる方法③:リラクゼーション睡眠
精神的に辛い時に心を落ち着かせる方法の三つ目は、リラクゼーション音源を流しながら睡眠をとる方法です。
実は、精神的に辛い時というのは、脳内で感情をコントロールしている領域(前頭連合野)が、疲れてしまっていることが原因な場合が多いんです。だから、睡眠不足のときや、目覚めてから時間がたった夜に精神的に辛く感じてしまうことが多い。
要するに、精神的に辛い時は30分くらいの短い睡眠でもかまいませんから、一旦寝て、前頭連合野を休ませてあげると、さっきまでの苦しさが嘘だったみたいにスッキリすることができます。
だけど、精神的に辛い時は、ふとんに入って目をつぶってそのまま寝ようとしても、嫌な考えが頭をかけめぐって簡単には眠りにつくことができません。そこで助けてくれるのがリラクゼーション音源です。
YouTubeで「リラクゼーション 音楽」と検索して、それを流しながら目を閉じておけば、自然と眠りについて、目覚めたときには心が落ち着いて、前向きな考えをすることもできるようになりますよ。
もし、YouTubeの音源では効果が得られないようなときは、「“音”で心のマッサージ【Simple瞑想】」のような本格的なマシンを使ってみることをおすすめします。
精神的に辛い時はリラックスを!
精神的に辛い時は、何を考えても辛いし、友達や家族からの言葉だって辛くて受け取れなかったりしますよね。
それは、あなたが弱いわけではなくて、ただ、今の脳の状態がそういう状態なだけです。そんな時は、徹底的にリラックスすれば、感情と体は相互作用しますからおのずと心も落ち着いていきます。
そうして、ポジティブに考えられる状態に脳を戻してから、考えごとをしたり、友達や家族からの言葉を聞いてみたりすればいいと思いませんか?
この記事を書き終えながら、一秒でも早く、笑顔を取り戻していただけることを願っています。